セミナー・講座の中で、調味料のことに次いで質問が多いのは、
「なぜ揚げ物メニューがないのか」
ということです。
その理由を、
「必須脂肪酸」
という観点からお話します。
揚げ物についての質問は
まぁ、当然といえば当然ですよね。
だって、
外食も中食も、どんな飲食店でも
メニューの中に揚げ物がないなんて考えられないし、
むしろ、
メニューの大半が揚げ物、
という店だってたくさんありますから。
家庭料理でも、
揚げ物はしょっちゅう登場するメニューでしょうし、
最近は、お料理をした後の油の処理が大変だから、
“揚げ物はスーパーの惣菜売り場や、お惣菜やさんで買う”
という人も多いとききます。
それだけ、日本人が揚げ物を求めている、
ということにもなります。
では、なぜ、
それほどまでに、日本人は揚げもの好きなのか?
その答えの詳細は、本講座に譲りますが、
今日は簡単に、その
メカニズム
だけお伝えしたいと思います。
結論から先に言いますと、
日本人が揚げ物好きなのは、
油が足りていないからなのです。
なんだか、禅問答のように思われるかもしれませんが、
これは厳然たる事実です。
どういうことかといいますと、
じつは
日本人に足りていないのは
「オメガ3脂肪酸」という、
2つある必須脂肪酸のうちの1つ
です。
これは
必須栄養素なので、
どうしても食事からとり込まなければならない必須の物質なのですが、
この「オメガ3脂肪酸」の摂取量が足りない、
または、
もう一つの必須脂肪酸である
「オメガ6脂肪酸」とのバランスが悪い場合に
相対的なオメガ3脂肪酸不足が体内で起きます。
すると体は、その足りない栄養素、
― 今の場合でいうとオメガ3脂肪酸ですが ―
を求めるのです。
が、体は「オメガ3脂肪酸が足りない」、
という厳密な指示出しをしません。
どういう指示出しをするかというと
「なんか油が足りないみたいなんで油をいっぱい摂ってほしいよぉ」
という、かなりアバウトな指示出しをするんです。
その指示出しに基づいて、
油がたくさん摂取できる揚げ物を食べてしまう。
みんなが揚げ物好きになっていく。
というプロセスを踏んでいます。
しかしこれは、極めて危険な兆候です。
といいますのは、
揚げ物などに使われている油は、どれも劣悪なもので、
その中には、
私たちがぜったいに摂ってはいけない
「トランス脂肪酸」
という、最悪の物質が含まれている可能性が高いからなんです。
このトランス脂肪酸は、
最近よく話題にもなっていますので、
ご存知の方も多いかもしれませんが、
ほんとうに、
ぜったいに食べてはいけません!
マーガリンやショートニング
というような安価な油脂に含まれていることは知っていても、
市販の油脂、
いわゆる「サラダ油とか、天ぷら油」
と表示されているものにも多量に含まれていることをご存知の方はあまり多くないようです。
スーパーの厨房で揚げ物をしている現場に行って、揚げ物を作っているところを見れば、
たいていの人はぜったいに食べたくないと思うことでしょう。
スーパーの厨房で揚げ物をしている現場に行って、揚げ物を作っているところを見れば、
たいていの人はぜったいに食べたくないと思うことでしょう。
それは、まず、油の色です。
あの色を見れば、ほとんどの人は食べたくないと思うし、
食べられなくなると思います。
油を変えた直後は別として、
何度か揚げた後の揚げ油の色は、そうとう黒く変色しています。
これは家庭でも同じで、繰り返し使った油は、
その中に「過酸化脂質」という有毒物質ができているのです。
そのような安い油は、
たとえ新しかったとしても、大量のトランス脂肪酸を含んでいます。
つまり、
体に悪いトランス脂肪酸に加えて、これまた体に悪い過酸化脂質を含んでいる
という、何重にも危険な油である、ということができます。
スーパーなどで売っているお弁当や、お弁当屋さんが作るお弁当にも、
必ずといっていいほど揚げ物は入っていますよね。
あれは、かなり、あなたの体にダメージを与えていると思ってください。
そのダメージを回復させるためには
植物栄養素(ファイトニュートリエント)
をはじめとする各種栄養素が必要なのですが、
それらのお弁当からは、そのような、
ほんとうに体に必要な栄養素
は、ほとんど摂ることができません。
だから結局、
そういう揚げ物の類を食べれば食べるほど、体は劣化していきます。
それは言い方を変えると、
老化する
ということです。
ファストフードの揚げ物、たとえばフライドチキンやドーナツなんかにも、
このトランス脂肪酸と過酸化脂質は大量に含まれていますので、食べないようにしましょう。
じゃ、「揚げ物は家庭で作ればいいのか」
というと、そういうわけにもいきません。
揚げ物を作ること自体はそれほど難しいことではありませんが、
今お話ししたようなリスクを回避するためには、油を選ばなければなりません。
揚げ物に向いているのは
比較的、熱に強い
「オメガ9脂肪酸」が主体となっているオリーブオイルや椿油
なのですが、これらは非常に高価なものなので、
それで揚げ物を作るとなると、かなりお高くつきます。
「金に糸目はつけねぇ」というなら別ですが、
日々の家計のことを考えると、
揚げ物はあまり優秀な家庭料理のメニューではない
ということになるのです。
だから、
JORAの家庭料理の中には、揚げ物メニューがない
ということになるのです。
だけど、ぜったいに揚げ物を食べるな、ということを言いたいのではありません。
ただし、家庭で揚げ物をつくるんだったら、
揚げ油はオリーブオイルに、しかもエクストラバージンのオリーブオイルにしてね、
といいたい。
また、
外食で揚げ物を食べるんだったら、きちんと店を選んでよね
といいたいのです。
僕だって、揚げ物を食べることはあります。
年に何回か、ですけどね。
自分のおうちで揚げ物を作って食べる時は、もちろんエクストラバージンオリーブオイルを使います。
もちろん一度使った揚げ油が残ったとしたら、それは廃棄します。
もし、外で揚げ物を食べるんだったら、決まった店でしか食べません。
それほど、トランス脂肪酸や過酸化脂質は危険な、避けるべきものである、
ということです。
ご家庭で、どうしても「揚げ物が食べたい」という人がいたとしたら、
その人はテレビの料理番組を見たり、ちょっとネットで検索でもすれば、
揚げ物の作り方なんて無数といっていいほど引っかかってきますから、
あえて貴重な時間を使ってJORAの講座でお教えするまでもないな、
ということで、JORAメニューの中には入っていないのです。
揚げ物なんてなくても、
十分に献立が立てられるほどJORAメニューは豊富にありますし、
健康的な家庭料理を目指すとしたら、揚げ物は必要ありません。
すでに言いましたが、
油は私たちの体にとって、必須のものです。
だけどそれは、揚げ物で摂る必要はない。
”サラダ“をはじめとするほかの料理で、油は十分に摂れます。
家庭料理がシステム化されていれば、
正しい油の摂り方で、必要な量をきちんと摂ることができるので、
それが最も賢明な方法といえるでしょう。
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