アメリカ食品医薬品局(FDA)が今月トランス脂肪酸は安全とは考えられない」との見解を示し、従来の姿勢を大きく転換して、今後、トランス脂肪酸を使用禁止とする可能性も出てきました。
トランス脂肪酸は、糖尿病をはじめとして動脈硬化、心臓発作や脳卒中など、様々な生活習慣病の一因であると疑われて久しいわけですが、これでいよいよ、ファーストフードチェーンや大手食品メーカーやレストランチェーンなどで、トランス脂肪酸を含む冷蔵パン生地、冷凍食品など、様々な料理にトランス脂肪酸を使用することを全面的に禁止する方向で動いていくかもしれません。
20年以上にわたって、トランス脂肪酸の危険性を機会あるごとに訴えてきたことを思い返すと、ようやくここまできたのかという感じです。
JORAの講座でもしつこいくらいに話し続けてきたので、受講された方は記憶に残っていることでしょう。
その時から「いずれ全面禁止になるから」と言っていたことが、本当になりそうです。
気になるのは、日本の厚生労働省の動きですね。
これまで消費者庁に完全に下駄を預けてきたわけですが、もうそんなことはやっていられなくなるでしょう。
ニューヨークやシアトルなどの都市では、すでにトランス脂肪酸全面使用禁止に向けた動きが相次いでいます。
この動きも加速するといいですね。
日本においても、トランス脂肪酸が有害だということが明確なのですから、一日も早く全面使用禁止にして、少しでも医療費の削減に寄与するよう方策を打てばいいのに、なかなか規制というところまでは行きません。
これだけトランス脂肪酸が危険だというデータが揃っても、一切の規制をかけない理由を考えてみたいものです。
ともかく、日本がこのトランス脂肪酸問題に今日から真剣に取り組んだとしても、なんらかの規制、というところまで行くのに数年かかると思います。
それでも将来的には重要なことなので、その方向にすすんでほしいというのはそのとおりなんですが、そしてそれは、子供たちや若者たちにとっては意味のあることなので、大歓迎ではあるのですが、それを待っていたのでは、今の大人たちはトランス脂肪酸でボロボロになってしまいます。
ですから、大人たちは今すぐ自主規制をしなければならない、というのが私の主張です。
トランス脂肪酸を含んだ食品を食べなくても、死ぬことはありません。
他の、健全な食品を食べればいいだけです。
しかし、トランス脂肪酸を含んだ食品を食べ続けることは、少しずつ自殺することです。
私たちは、どちらを選ぶのが自分らしいかを考えて行動すればいいのです。